酪農ヘルパー第24号(平成11年7月)

目 次

視点:ヘルパー事業をふり返って
シリーズ・檜垣会長と語る3
あの町この町/長野県
21世紀の酪農を支える牛群検定
トピックス:ファーマーフェアー'99 開催
全国協会だより:酪農体験
VOICE
新規事業紹介:新規就農円滑化モデル事業
時の動き:傷病時利用モデル実践事業実施状況
海外情報:オランダの農業ヘルパー制度
新規就農酪農体験レポート
全国協会だより:研修状況
全国協会だより:利用促進


あの町この町/長野県


あの町この町タイトル


長野県内の酪農ヘルパー組合


 県内には14の酪農ヘルパー利用組合が稼働しています。 960戸ある県内全酪農家の約50%しか加入利用していませんが、南北に長く、東西に広い長野県のほぼ全域を網羅しています。
 最近は道路事情も良くなり、酪農家の規模格差、戸数減少、ヘルパー要員の確保、組織運営などの課題から、従来の1農協単位による酪農ヘルパー利用組合から、地域を単位とする広域対応のヘルパー組合へ整備が進みつつあります。
 酪農ヘルパー円滑化対策事業によって、長野県は4億円の基金造成を行い、その果実で書く利用組合の活動を支援しています。

あづみ野


 あづみ野は、「信濃の国」信州の中信に位置する犀川流域の盆地です。糸魚川・静岡構造線に沿うフォッサマグナの一部であり、面積 400?余の高原広がっています。国宝・松本城とともに雄大な北アルプスを望む景観が、あづみ野を象徴します。
 急峻な日本アルプスを流下する河川が作る複合扇状地があづみ野です。北アルプスの高峰を背景にした自然と、道祖神に代表される村人の生活とがあづみ野の魅力です。
 有名な穂高のワサビ田は、烏川扇状地末端の湧き水を利用して作られています。

業務請負


 あづみ農協18戸の酪農家中12戸にヘルパーは出役しますが、時には牛群検定の立ち会いも行い、忙しく活動しています。職員の身分ですが、JAあづみヘルパー部会と長野県農協地域開発機構との間で農協ヘルパー業務請負委託契約を締結し、身分安定に配慮しています。
 酪農経営基盤の継続のため、酪農ヘルパーはなくてはならない事業の一つと考えます。JAあづみ酪農ヘルパー部会は、酪農家もヘルパーもお互いが認めあえる関係、そして要員の確保、受入体制の維持が整いつつあるところです。
 さらにすばらしい活動が継続できることを期待しています。

女性ヘルパー前林さんの「あづみ野」での生活


 昨年、清冽な水が整然とした水田に満ちた美しい春、女性酪農ヘルパー前林さんのJAあづみ酪農ヘルパー利用組合での生活が始まりました(本誌21号「VOICE」参照)。
 ヘルパーを頼んでいる酪農家からは「性格が明るくて、農家の人との付き合い方が上手」と評判は上々です。
 前林さんがあづみ野へ来るきっかけは、東京で行われた農業者求人説明会の会場で、酪農ヘルパー全国協会から紹介を受けたのが始まりでした。以下は前林さんのお便りを紹介します。
“小さい時から動物に興味があり、牛が顔で感情を表現するところに妙に感動し、牛に一目惚れしてしまいました。学生時代を通じ酪農ヘルパーに興味があり、家族から北海道行きはだめ、群馬や千葉、神奈川などいろんな所にいる友達・先輩から「信州っていいねぇ」の言葉で観光ガイドなど調べ、スキーのできる長野に決めました。
 1年間住んでみて、本当に住みやすい所だと実感しています。特に夏がすごく過ごしやすい。出身地埼玉の夏はとても暑かったのですが、こちらでは昼間は暑くても夜は空気が乾いていて、とても過ごしやすいのです。
 また、酪農家の規模がそんなに大きくなく、セカセカしてないので「ゆとりがある」感じがします。最初の冬、朝5時に起きたら外に雪が積もっていて、泣きたいぐらいに寒くて悲しかったけれど、それももう慣れました。
 最初は一生懸命で余裕がなくて、周りの変化に気が付かなかったけれど、それぞれの牛の特徴や性格を、あだ名が付けられるぐらい覚えたり、いろんなことを学びました。
 毎日違う人と接し、異なる環境で仕事ができ、何でも自分たちでやり、乳牛相手に動植物と一緒に暮らしてゆける、酪農の仕事にすごく「楽しく、やりがい」を感じています。
 最近は、毎日「小さな感動」があり、季節の変化が伝わってきます。今では一生ここで酪農ヘルパーをして、頑張っても良いと考えています。
 今、一番注意していることは、自分の健康管理です。風をひかないように気を付けています。「自分の具合が悪くなれば、まわりに迷惑をかけてしまう”と思うからです。
 自分一人しかいない、自分の代わりになってくれる人はいないのです。
 先輩からも「ヘルパーのヘルパーはいないんだぞ」といわれました。
 友達から「信州の牛乳は知っているけど、長野県の酪農は知らない」ってたまにいわれます。濃くて甘くて美味い「あづみ野特選 3.6牛乳」は、私がほんのちょっとだけ搾るのは手伝っているので誇らしく感じています。
 県内に6名の女性ヘルパーが活躍されているようですが、同じ悩みを語れる酪農ヘルパー仲間がいるといいなぁと、そんな機会を楽しみにしています”

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