酪農ヘルパー第23号(平成11年4月)目 次
あの町この町/宮城県
酪農ヘルパーの経過
週休2日制が普及するなかで家族労働力に支えられる酪農は年間労働の拘束性が強く、他の農産業に比べ厳しい状況にあり、酪農家が健康で人間性豊かな生活を確保し、若い人が酪農に魅力を持ち、すすんで従事する環境を整えることを目標に、平成2年度から3カ年で国、県からの助成のほか、生産者の拠出金を含め3億5千万円の酪農ヘルパー基金を造成し、平成3年4月から定期型ヘルパーとしてスタートしました。 ![]() 広域ヘルパー利用組合の発足
酪農ヘルパー利用組合設立に当たり、まず県内の全出荷農家に対して酪農ヘルパーの意向調査を実施し、その結果に基づき県内15利用組合を設立の目標としました。 本県の場合は他県とは異なり、酪農組合単位で利用組合を設立したのではなく、指定生乳生産者団体である宮城県生乳販売農業協同組合連合会(以下、生乳販連)が事業実施主体となって酪農組合(連合会)、市町村の枠を越えたなかで一部酪農組合で実施していた不定期型ヘルパーを解散させ、新たに平成3年度から平成7年度にかけ当初目標である15利用組合を設立し、県内一円を網羅した形となりました。 毎月の日程調整は、所属利用組合が一番多い酪農組合(連合会)に事務局をお願いしました。 酪農ヘルパー要員の確保と身分
設立当初、酪農ヘルパー要員の募集については、後継者育成の目論見もあり県内酪農家の子弟や酪農家を廃業した方などを募集しながら、新聞への折り込み広告でも募集しました。 しかし、ここ数年はハローワーク、求人情報雑誌で募集する形に変わり、長引く不況の影響からか、最近は女性の応募が多くなっているのが特徴です。女性ヘルパーは女性らしい気配りがあり、牛舎の雰囲気が明るくなるなどの効果も期待して、設立当初から女性ヘルパーを採用してきました。また、願わくば酪農家に嫁いで欲しいとの考えもあり、実際2名が酪農家と結ばれました。 ヘルパー要員の身分については、生乳販連の嘱託職員となり、給与体系、雇用内容(健康保険、農林年金、雇用保険、労災保険、退職金制度)について同一基準で現在30名のヘルパー職員が稼働しています。 また、任意で傷害保険の制度も設定しています。 酪農ヘルパーの利用状況
利用料金は県統一利用料金を設定し、また、市町村単位での利用料金の一部助成はあるものの、酪農組合などからの助成はなく、すべて利用農家からいただいた利用料金でまかなっていました。 しかし、本県の1戸当たりの飼養頭数は全国的に見ても平均を下回っており、また減産計画も重なり、平成5年には当初設定した金額では採算がとれずに収支が悪化したため、利用組合に理解をいただきながら平成6年7月に利用料の改定を行いました。値上げの際には、月24日稼働を条件に5年間は利用料金を上げない約束のもとに実施しました。 その後、収支は黒字に転じ順調に推移してきましたが、酪農情勢の厳しい中で24日稼働を条件としているため、利用組合員数の少ない組合については、月2回利用してもらう農家が必然的に多くなり、その負担増の影響から脱退者を多くするという皮肉な現象も出てきました。 このような状況から、各利用組合の役員会、総会などでは料金値下げの要望が強くあったため、農家の負担軽減のほかに、料金値下げによるヘルパー職員の稼働日数増加を期待し、平成10年12月より、月2回利用する農家については2回目以上の利用料金値下げを実施しました。 ヘルパー作業に係わる事故防止対策と補償
ヘルパー作業に係わる事故防止対策として受益者側に厳守事項、義務事項を設定し、指示牛については標示プレートの標示や連絡事項を確実に明記させることにしています。 また、ヘルパー作業中の事故により生じた牛乳および乳牛などの損害を補償するため、補償制度を設定しているほか、複合廃棄など高額な賠償金を補償する酪農ヘルパー賠償補償制度も併せて設定し、万一の事故に対応しています。 今後の課題
○酪農ヘルパー組織運営強化特別事業が平成12年度で打ち切られるため、今後どのように対応していくか。 ○利用組合は、酪農組合(連合会)、市町村の枠を越えたなかで一部酪農組合で実施していた不定期型ヘルパーを解散させ、県内一円を網羅した形で組合を設立しているものの、地域によっては錯綜している部分もあることから、利用組合の再編を進める。 ○専任ヘルパーが長期的(研修を含む)に休む場合の対応方法。 ○臨時ヘルパーの増員。 以上、いろいろ課題がありますが、若い人が酪農に魅力を持ち、すすんで従事する環境作りを考えていきたいと思います。 ![]() |